そして、5回目のデートで泉は、近場のカフェで半日だけ会う約束をしていた。仕事が忙しく、なかなか連絡も出来ず、でも会いたいと思ったので、彼女との予定を入れた。

 帰り際に、いつもと同じように告白をした。


 「緋色さん。何度も告白してしまって、すみません………。でも、あなたをどうしても諦められないんです。……好きなんです。付き合っていただけませんか?」


 帰り道の人気のない公園で、泉は5回目の「好き」を伝えた。
 また、申し訳なさそうな顔をして、「すみません」という言葉が返ってくるのだろう。そう思っていたのに、その日の反応は全く違うものだった。


 緋色がポロポロと泣き始めたのだ。
 泉はギョッとして驚いてしまう。
 泣くほど迷惑だったのだろうか。彼女に悪いことをさせてしまった。泉はオロオロしながら、彼女に近づいた。


 「ご、ごめんなさい………。泣かせてしまって……」
 「ち、違うんです。その、安心したら涙が出てきてしまったんです…………驚かせてすみません。」


 緋色は手で涙を拭うと、ニッコリと笑った。
 ホッとしながらも、泉は彼女の言葉の意味がまだわからなかった。


 「安心……ですか?」
 「はい。あの、しばらく連絡が来なくなったので、私が断りすぎたからもう嫌になったのかなって………。」
 「………それって………」