その言葉で、緋色の勘違いした恥ずかしさはなくなり、泉と同じように幸せを感じ始める。

 好き、という気持ちで繋がり、本当の意味での恋人になり、夫婦になったのだ。
 彼のぬくもりが、今まで以上に幸福さを増して胸が熱くなる。


 「そう、だね………。私も、嬉しい」


 どんどんと小さい声になり、消えそうな音量になってしまったけれど、泉にはしっかりと聞こえていたようだ。

 泉は、「あー………可愛すぎるだろ」と緋色をさらに強く抱きしめた。
 緋色はわたがしのように甘い香りに包まれ、泉の鼓動と、その言葉を聞いて思わずニヤけてしまう。


 「緋色ちゃんとの結婚はきっかけだったかもしれないけれど、これで本当に好きになっての結婚なったね。………結婚式前に、こうやって気持ちを知れて、俺は本当に嬉しいんだ。」
 「…………私も自分気持ちがよくわからなかったんだけど、惹かれ始めているのは感じていたの。それは、泉くんが優しくしてくれて、私を大切にしてくれるって感じたから。仕事も忙しいのに、おうちの事を手伝ってくれたり。心配もしてくれる。そして、愛を感じられる事をしてくれたり言ってくれる。そんな泉くんの気持ちが伝わって………、泉くんの事が好きになったんだと思う」
 

 緋色は自分が思っていた気持ちを正直に話した。少しでも本心が彼に伝わればいいなと思ったのだ。