私は高校1年生の浅野陽夏。
小さい頃から大好きな人がいる。
「ひーなおっはよー」
大好きな人の声が聞こえ振り返る
「陽翔!おはよ!」
黒石陽翔私と同じ高校1年生。
学校1のモテ男。らしい。
そんな人に恋をしてしまったのだ。
いつもどうりの道を歩きながら他愛のない話をする。
「あのさー陽夏」
「なに?」
「言いたいことが…あってさ」
急に真剣な顔になった陽翔を見る。
「うん。どうしたの?」
「俺の彼女になって」
大好きな人から言われたその言葉。
しかし喜んだのもつかの間だった。
「偽りの彼女として」
「え…?」
「実はさ、また告られてなんか降るのが申し訳なくてさ、彼女いるって言ったら諦めてくれるかなって」
「そう…なんだ」
「いいよ。付き合う」
「ほんとか!ありがとう!」
陽翔は嬉しそうだった。
本当は泣きたいくらいショックだった。
私は、偽りの彼女。
陽翔の告白を断る理由になるそれだけの存在。
それが悲しかった。
私ひとりショックを抱えていると、いつの間にか学校についていた。
「陽夏またな!」
「うん」
私と陽翔はクラスが違う。
でも少しだけそれにほっとした自分がいた。


案の定陽翔は昼休みに告白されたらしい。
「ごめん。彼女いるから」
陽翔のその言葉で学校中に私と付き合っていることが広まった。
「なあ浅野。黒石と付き合ってるってマジ?」
「うん。ほんとだよ」
私は頑張って笑顔作って答えた。