どうしても、気になり
咲と呼んだ、男の人が出てきた病室を
覗くと…

えっ…………、璃空だよね。

頭の整理が出来ない、
璃空が、若?
璃空は、璃空なんだけど
怖くて聞けない…
すると、私に気付いたのか、

『あかり、もう大丈夫なのか?』

『あ、うん、璃空は?頭、痛いよね?
ごめんなさい、私のせいで…』

『こんな傷より、あかりから
もう、会わないってメール見た時の方が
傷ついた』

『ごめんなさい…』

『冗談だよ、確かにびっくりしたけど
本心じゃないって信じてたから』

『璃空…』

『だって、あかり俺の事大好きだもんな?』

『さー、病室戻ろう…』

『嘘、嘘。ごめんって』

璃空が私の手を握る…

『俺があかりの事、好きだからだよ。
絶対離さないって思ってたから…』

『ありがとう、助けてくれて』

この時は
若、の事はすっかり
忘れていた。