「いいけど、あれじゃー最悪泊まらなくちゃいけなくなるかもよ?」

ユウキ君が私の方へ歩きながらそう言った。

「どうしよう…」

心底困った私は今日会ったばかりのユウキ君にすがるしかない。

「和美ちゃんは帰れるでしょ?
ナナちゃんは大地の家に泊まればよくない?
問題はマリちゃんだよね…」

「マリの家は厳しいの。
お酒飲んだなんて知られたらお母さん倒れて寝込んじゃうかも…」




「105に女だけ泊まれば?
男はこっちに寝れば問題ねえだろ?」




私はビクッとして、声のする方を見た。



「あれ、俺の兄ちゃん」

ユウキ君がそう言って、私は小さく頷く。

「俺今から出て今日は帰らないから」

お兄さんはそう言って部屋の中に消えた。


「そうする?」

ユウキが軽い感じで言うから

「……そうする…」

私もためらわずに返事をした。

今日初めて来た部屋に、しかも男の子の部屋に泊まるなんて…

なんてふしだらなんだろう(泣)