初恋はクリスマスの夜に

男の子4人の後ろに

私と和美


裕貴君は時々後ろを振り返って私達を確認してくれる。

全く話はできないけど

ただそばにいれることが嬉しい……。


高台の神社に着いて

下の港を見下ろすと

手筒花火が始まろうとしていた。


歓声が上がる


「何何!?」

「あれ、俺の兄ちゃん!」


いつのまにか私の横に 裕貴君がいた。



私はヒールのブーツを履いているのに
裕貴は見上げるくらい背が高い


目が合うと
笑ってくれた。

ドキドキが止まらない。


好きが加速して 胸が苦しい…

話が途切れないように頑張って、
裕貴君の横をキープした。



裕貴君のお兄ちゃんは、地元ではとても有名人みたいだった。

暴走族の元リーダーで

手筒花火の大将。

去年二十歳の最年少で大将になったらしい。

短髪の金髪で

切れ長の二重

背が高いのもあって

オーラが凄い。

「周りの女の子の数…すごいね…」


明らかにお兄ちゃん目当ての女の子達が、
今か今かと出番を待っている。


私と和美は圧倒される。

「兄ちゃんすごいモテるから」

裕貴君は苦笑い


「裕貴君は…??」

思わずそう言って、


ヤバい!!

なんか、探ってるみたいじゃん!!


見上げた私と裕貴君の目が合う


「モテるわけないじゃん(笑)」

えー?!

そうなの??

そうなの???

謙遜???

どっち???


「モテそうだよ!」

「イヤイヤイヤ、彼女いたこともないし、告白とかされたこともないし!」

「そうなの??」


「あ!始まるよ!!」



手筒花火が始まる。



「マリちゃんこそ、モテそう(笑)」


不意にそう呟いた裕貴君を見上げると

目線は手筒花火に向けられていた。


「全然(笑)」

「あいつらも、可愛いって言ってたよ。拓哉がライン知りたいって言ってたし。」

私に視線が向けられる。


「私は……」


「兄ちゃんの番だ!!!」

歓声が大きくなる。
見ると、裕貴君のお兄ちゃんが 手筒花火を担いでいた。

火花が上がる


すごい……

なんだろう…

他の人と全然違う…


かっこいい!!

裕貴君のお兄ちゃん、すごい!!

「兄ちゃんやっぱすげぇな〜!!」

「うん!すごいかっこいいね〜!!」

大興奮の裕貴君と私







「あっ、なんだっけ??」

花火が終わって

裕貴君が私を見る

「なにが??」

「なんの話してたんだっけ??」




ジーッと見つめられて

私はもう止められなかった。




「私は裕貴君がいいな……」


「…………は??」


「私は裕貴君ともっと仲良くなりたいです!」


「……………」



「………だめ…?」


私が真剣だったからか、

裕貴君の顔が真顔になる。




「だめ……なわけないじゃん……」