「え…っ…ちょっと…!和美?!」

マリはユウキ君と何かを食べていたみたいで

「和美待ってよ!!」

片付けながら叫んでいる。


ごめん、マリ…

私ダメだ…

どうしてもここにいたくない…

あんな

可愛い子にベタベタされてるとこなんて


見たくない…

女の子達に囲まれてるとこなんて


見たくない…



「和美!?」

早足で歩き出した私の腕を
マリにつかまれて


止まった。

さっきの場所から100メートルくらい離れている。


「なになになに?!どうしたの?!?!」

今にも泣き出しそうな私を見てマリはパニック。



「おーい!!待ってよー!!!」

叫びながらユウキ君が追いかけてきた。


二人とも
両手にお箸やお皿や飲み物を持ったまま

わけがわからないといった様子で
私を見た。


「……ごめん……」

私はうつむいて小さな声でつぶやいた。



私がこんなに
取り乱す権利もないよね…

勝手に一人で空回りして


バカみたい…


そう、、

周りにはたくさんの女の子がいる



そりゃ…

そうだよね…

少しでもフワフワしてしまった自分のアホらしさに

落ち込む


「神社行こうよ!甘酒飲みたい!!」

何事もなかったように空元気でそう言って歩き出した私に

二人とも困惑していた。



私は

自分の気持ちに無理やりフタをする

なんでもない…

友達のお兄さん


ただそれだけだから


お願いだから


ただ

それだけだから…