5時

全然眠れなかった。

昨日の服のままだし

お風呂にも入ってなかったから



ううん…

眠れなかったのは



頭の中で昨日のことがグルグルグルグル回ってたから。


お兄さんの顔や 仕草や 後ろ姿が
頭から離れない…


「おはよ……」

ナナが起きて

「おはよ…」


マリが起きた。


二人共自分の置かれている状況がわからないようだったので
私がお説教がてら説明した。

「ごめん、和美…」

ナナはそう言って大地君にラインを送る。

返事がない…多分寝てるんだろう。

「帰らないとヤバいよ…」

家が厳しいマリがバッグを持って立ち上がった。

私もマリに付き添って帰ることにした。

ナナは大地君が起きるまで待ちたいとのことだったし、鍵を渡さないと帰れないから残った。


「寒ーい…!」

近所迷惑にならないように、小さい声で叫びながら
マリと私は部屋を出た。

103の前を通り過ぎる時、

またお兄さんの顔が浮かんだ。

広場を歩きながら

お兄さんと座ったベンチを思わず探した。

昨日のことは夢だったんじゃないか?

そう思った。



また


会いたいな