修司Side


中学一年の春両親が離婚した。
兄貴も俺も父親が大嫌いだったけど

母さん一人に男3人も面倒見させるのは可愛そうだと兄貴と話し合った。

で、俺と兄貴は父親と暮らした。
弟はまだ小学生だったから母さんと住まわせた。
オヤジは家事が全く出来なかったから、あろうことか、団地で暮らし始めた母さんの隣の部屋を借りて俺と兄貴を住まわせた。
自分は女の家に転がり込んで、結局家賃と光熱費の引き落とし以外の金は入れなくなった。

俺は、中学から荒れ始め、小さい頃からバカみたいに頑張ってた柔道もやめた。

183センチで柔道の有段者の俺は
喧嘩じゃ負けたことはなくて
17で暴走族「リード」を束ねるようになってた。

俺はこのままヤクザになるんだと、どっかで諦めてた時、
今の会社の社長に出会った。

お前、左官職人になれ、俺が食えるようになるまで育ててやるから。

どこかで、まともな人間になりたいと思っていた俺の心を見透かされた気がした。


18でリードをやめて

そっから
左官職人としての人生が始まった。



女には全く困ってなかった。
呼べばすぐ来る女が何人もいた。
でも、女なんて
面倒臭いから、付き合うなんてことは絶対にしなかった。


12/24


俺はヨウスケと飲みに行く約束をしていた
早めに仕事を切り上げて、シャワーを浴びて
着替えたところに

困った顔で俺を待ってるユウキがいた。


「兄ちゃん、今日遊んでた女のコが酔っ払っちゃって困ってんだよ。」


「明日日曜日なんだから泊まらせれば?」


「女のコだからそういうわけにもいかないよ」

ユウキは真面目だ。
クソがつくほどまじめだ。
俺なら女を泊まらせて、あわよくば…なんて思っちゃうけどね(笑)


その瞬間、玄関のドアが思いっきり開いて
見たことのない女がすげぇ勢いで飛び込んできた