…意外と強引。


俺の中で立花、じゃない
美波の印象にそれが加えられた。



この状況、喜んでいいのか悪いのか。

恋人のふりってどこまでOKなんだ?

一緒に帰るとか手を繋ぐとか…?

メールや電話はするものなのか…。


美波の真意が全く見えてこない。


「…なぁ、恋人のふりってなにすんの?」


帰り道が同じだった俺たちは
隣に並んで歩いていた。

そんな中で考えて考えて
結局俺は本人に聞くことにした。


俺の声に立ち止まった美波は
振り返って


「ん~…、
響輝の好きにしていいよ?」


「…っ!!!」


可愛い顔で爆弾を投下した。


いや、絶対に変な意味は含まれてないんだろうけど
今のは誰でも誤解するだろ…。


「…まじか。」


俺は熱くなった顔を隠すように
そっぽを向いて返事をした。