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「ママー!パパー!
おでかけ久々だねーー!」
「こら~、美波
あんまりはしゃぐと危ないぞ~!」
「だって嬉しいんだもん~!」
記憶の中の私とママとパパは笑っている。
この日は3人でピクニックをするために
散歩がてら近くの大きな公園に
歩いて向かっていたんだ。
あと少しで着くといったところの
スクランブル交差点での信号待ち。
「美波、公園に着いたら
最初に何したい?」
「えーっとね…シャボン玉!」
「おー、そうかそうか。
じゃあパパが美波よりも
でーーっかいシャボン玉飛ばしてやるぞ!」
「本当ー!?約束だよ!!」
「あぁ、楽しみにしとけー!」
これがパパとママとの最後の会話。
でっかいシャボン玉を想像しながら
信号が青に変わるのを待って
踏み出したとき
キキキィィィーーー!ガシャン!!!
大きな音と共に楽しく過ごすはずだった
日曜日は奪われた。



