「美和さんがハンバーグ美味しかったって褒めてくれた」
「あぁ、半分食べさせたからな、ピーマンの事も話したし」
「意外と心を開いてるんだね、仲良さそう、っていうかココアもあるんだね(笑)」
「美和さんは隼人の母ちゃんなんだ」
「えっ!そうなの?」
「あぁ、ココアは隼人が好きだから置いてある(笑)隼人が剣道始めるまではいつも一緒に遊んでた」
南にココアを渡す
「ありがとう」
「物心ついた時からずっと隼人とは一緒、保育園からかな、美和さんは俺の母親代わりだ、朝も美和さんが連れて行ってくれて夕方二人を迎えに来てくれてた、昔と雇用形態が違うんだ、夜も居てくれた、隼人の父ちゃんは単身赴任中だったから一緒に住んでたしな、中学入る時に父ちゃんは戻ってきてそれから今の午後からの勤務になったんだ」
「涼はじゃあ中学からひとり暮らし?」
「まあな、あっ、キルと二人暮らし(笑)中学から飼い始めたからな」
親の事聞いてもいいのかな?聞かないほうが……
「隼人くんて涼とタイプ違うのに一緒にいるから不思議だったんだよね、真面目そうだし」
親のことはやめておこうと南は思った
「俺が真面目じゃないとでも?」
南の頬を軽くつねる
「いひゃいよ」
「隼人も真面目じゃないよ、俺と一緒によく土手で遊んだし、庭でも遊んだ、部活が忙しくなったから遊べなくなっただけ……だし」
涼は寂しそうにプイと横を向いた
「何拗ねてんの、キルの散歩に行こう」
南はゲージからキルを出す
「キル〜散歩行こうね」
「ワン!」
二人と一匹は土手を走り息を切らして戻ってきた



