桜の栞

今日も空は曇り模様。

いつもと変わらず、授業を受ける。




「多城ー、聞いてんのかー?」




「……す、すみません」




「次はちゃんと聞くように」




そのやり取りが終わるやいなや、後から椅子の足を蹴ってくる奴がいる。





「お前、また本読んでたのかよ笑(コソッ」





周りがくすくすと笑う。

今ので分かったかもしれないが、僕は多城一樹。

そして後ろから茶化してきたのが、僕の幼馴染である、青野武だ。




少しむかつくが、図星なのは間違いない。


小さい頃から本が好きだから


まあ、それもあるけど…実際は本に逃げていたのかも知れない。

なあなあの付き合いしかしてこなかった僕にとって、武の存在は本当に有難いことだ。


そんなことを考えていると、授業が終わりの号令が鳴り響く。




武「終わったー!あ、そうだそうだ…今日部活ないから一緒帰んねぇ?」





一樹「あー、ごめん。図書室に用事あるんだ」





武「またー?お前本当に本が好きだよなー。土日の休み以外通ってるから、皆勤賞なんじゃね?笑」




一樹「なんでもいいだろ?別に皆勤賞狙いで行くんじゃないから」




そんな会話を終わらせるように、終礼をしようと鬼教師と噂の中谷先生がやってくる。