愛するオトコと愛されないオンナ~面食いだってイイじゃない!?





「芹香、おめでとう~!」



お見合いの日からは、まるで一日が一時間くらいに感じる程、慌ただしく過ぎていった。
超一流のホテルで、私はお姫様みたいに豪華なウェディングドレスを着て、結婚式の日を迎えた。
真っ白なタキシードを着た柊司さんは、芸能人も及ばないくらいのイケメンぶり。
思わず見惚れてしまうほど。
美沙を始めとする、列席した女性陣の視線も、私ではなく柊司さんに釘付けだ。



私は、そんなに素敵な人の奥さんになったんだ。
とても誇らしくて、胸が弾んだ。
そりゃあ、誰にも言えない秘密はあるけれど、それでも構わない。
私みたいに平凡で婚期の遅れた女が、こんなに素敵な柊司さんと結婚するためには、多少のことは我慢しなきゃ。



柊司さんのお父さんもとても嬉しそうだし、柊司さんもお父さんとの約束を果たせたせいか、とても晴れやかな顔をしていた。
うちの両親も、とても嬉しそう。
まぁ、手放しで喜べる結婚ではないかもしれないけれど、行き遅れた娘にしては、かなり良い条件のお相手だもんね。
もしかしたら、お父さん…昇進するかな?