「私の書きたい小説は、今のままじゃ 書くことはできないわ」 「うん」 ふわりと笑って言葉を続けた 「僕たちの約束は、いつか、の 約束だ。まだまだ時間をかけていい」 気づけば私の目からは大粒の 涙が止まることを知らず、どんどん 溢れてくる。 彼は何も言わずに私をそっと 抱きしめてくれた。 甘えるのは今だけ。 そう言い聞かせて、私もその背中に 手を回して泣いた。