「うん！今日のご飯は何？」

レンはにこにこしながら訊ねる。ジュエルはレンの小さな手を握り、歩き始めた。

「う〜ん……。ムニエルかハンバーグどっちがいい？」

「ハンバーグ！！」

村はポツポツと明かりが灯り始めていた。いつもより帰りが遅くなっている。ジュエルは少し歩く足を早めた。

暗くなり始め、少しずつ不気味になっていく森の道を通る。

「ママ〜！！お化けが出るかもしれないよ〜？」

レンがギュッと強くジュエルの手を握る。ジュエルはクスリと笑い、レンに言った。

「大丈夫よ。何があっても、ママがあなたを守るわ」

護身用としてジュエルはナイフを隠し持っている。使ったことはないが、森を女性が歩くことが危険な時もあるのだ。

「お嬢さん、悪いが俺らと一緒に来てくれねぇか？」

道を歩いていたジュエルとレンの前に、山賊と思われる薄汚い格好をした男性三人が突如現れる。ジュエルとレンの背後にも山賊がいて、二人は完全に挟まれていた。