魔法に囚われて〜誘拐されて溺愛されてます〜

王宮の中庭には美しいバラが咲き乱れ、猫足のテーブルの上には紅茶とトライフルやカヌレなどのスイーツが並べられている。

その椅子に座り、ジュエルとフランチェスカはお茶を飲んでいた。近くには見張りがいる。ジュエルが逃げたりしないようにするためだ。

ジュエルは、いつも美しいドレスや宝石で着飾られ、おいしい食事を与えられ、ユーゴから愛されている。しかし、手錠をかけられ、レンには会わせてもらっていない。ユーゴが仕事に行っている間は、常に誰かに見張られている状態だ。

今は、フランチェスカが来ているということで手錠を外してもらっている。

「レンに会えないのは辛いわ……」

ジュエルがポツリと呟く。フランチェスカがギュッとその手を握った。

「でも、無理やりジュエルは連れて来られたんだよ?誘拐と監禁……王という立場じゃなきゃとっくに逮捕されている」

シャノン王国の人間は、ユーゴの行動に戸惑い、「ジュエルを解放すべきだ」という人もいる。しかし、ユーゴは気にすることなくジュエルにキスを落とすのだ。