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「いや〜、これは間違いなく藍野は糸羽に気があると見たよ」

「ぶっ!!……はっ!?」


今は休み時間で、1人で呑気にペットボトルのお茶を飲んでいたら寿々がいきなり席にやってきてそんなことを言い出した。

思わず口に含んだお茶を噴き出しかけた。


そしてすぐ隣に藍野くんがいないかどうかを確認した。

……よかった、いま席を離れているみたい。


「だってさ〜、最近2人いい感じじゃない?放課後に残ってるとき2人っきりの空間♡って感じでイチャイチャしちゃってさ〜」


「なっ、別にイチャイチャしてないし!!」

「ふーーーん??」


何やらニヤニヤした顔でこちらを見てくる寿々。


「いっそのこと、千景なんてやめて藍野に乗り換えてみたら?」

「いやいや、そもそも藍野くんがわたしに気あるかどうかもわかんないし」