すると、指先に突然ひんやり冷たいわたし以外の体温が触れた。
「っ……!?」
「花町?どうかした?」
「い、いや……っ、なんでもない……よ」
すぐに藍野くんから離れて、自分の席に身体を戻す。
今もまだ指先に触れられていて、今度は指を絡めて握ってきた。
さっきまで寝てたくせに……。
今、しれっとした顔をして、繋いでいないほうの手で頬杖をついて。
隠れて、誰にも見えないように手を繋いでくるなんて、何を考えてるの?
「ちょっと、世唯くん……っ、手」
小声で世唯くんだけに聞こえる声で訴えかける。
「手がなに?」
なんて言いながら、さらにギュッと握ってくる。
まるで、握り返してって求められてるみたいに…。
「なんで……いきなり繋ぐの…」
今は授業中で絶対他の人に見られてはいけないのに。
なんだかイケナイコト、ワルイコトをしているみたい。

