あなどれないね、世唯くん。




「わわっ、くすぐったいよ」

わたしがミルクちゃんと戯れていると、世唯くんがクスッと笑った。


パッと顔を上げてみたら、意外と世唯くんの顔が近くにあってびっくりする。


「あーあ、なんか今いとにキスしたくなっちゃった」

「……えっ、えぇ!?
こ、ここはダメだよ!?外だよ、人もいるし!」


さらっととんでもないことを言われたので、思いっきり動揺してしまう。


「じゃあ、この子にしよっか」

「え?」


世唯くんがミルクちゃんを抱き上げて、そのままチュッてした。

うぬぬ……、そうきたか……っ。


「可愛いね、いと」

なんて言いながらミルクちゃんとイチャイチャしてばっかり。

しかもその子ミルクちゃんだし、いとって名前じゃないし!


むうっとした顔で、世唯くんを見てみれば。


「そんな拗ねなくても、いとには毎日キスしてあげてんのに」

「なっ……!」