***
お昼ごはんを食べ終えて、電車に乗って目的の場所に到着。
「ひゃぁ、ドキドキするなぁ」
さっきからワクワク気分のまま。
「いとって動物好きなの?」
「うーん、大きい動物は苦手かな」
今わたしと世唯くんはとある建物の中に入って、目の前にあるコルクボードに貼られたたくさんの写真を見ているところ。
「見て見て世唯くんっ、このわんちゃん可愛い〜」
じつはわたしが来たかった場所とは子犬カフェ。
入り口のところにカフェにいる子犬ちゃんたちの写真が1匹ずつ貼られていて、名前も書いてある。
「世唯くんはどのわんちゃんが好き?」
「……この子。
いとに似てるから可愛い」
そう言って指さしたのは、真っ白な毛並みのチワワ。
「えぇ、わたしこんなに可愛くないよ!」
「可愛いからこの子抱っこしたい」

