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「あ、あの……っ、世唯くん?」
「ん……?」
「な、なんかこの部屋寒くない……かな」
「……そう?
いとのこと抱きしめてるから全然平気」
世唯くんはわたしが好きだって伝えてから、ずっとべったりしたまま離れてくれない。
部屋は暖房もついていなくて、寒いのにベッドの上でわたしを後ろから抱きしめたまま。
「いと、寒いの?」
「う、うん……少しだけ」
「へぇ……じゃあ、熱くなるようなことする?」
「へ……っ?」
「もちろん……身体がね」
くすりと笑った声が耳元で聞こえたのは一瞬。
身体がふわっと浮いて、自分がどこを向いているのかわからなくなったのも一瞬。
ドサっと倒れて、ようやく視点が安定したと思ったら見えるのは真っ白な天井。
そしてすぐさま、両サイドに世唯くんの手がつかれた。

