パッと後ろを向けば、顔も知らない男の人が2人。

たぶん……見た目的に大学生くらい。


拘束されたのはわたしだけ。
目の前にいる加奈ちゃんは、ただにこっと笑っていた。

ゾクっとした。
驚いて、加奈ちゃんの顔を見れば。


「そんな顔しないで?
大丈夫、そんな怖いことはしないつもりだから」


全く信用できない、嘘のような可愛い笑顔はただ恐怖を煽るだけ。


「抵抗したり、逃げ出したりしないでね?
そんなことしたら、力づくになっちゃうよ?」


力じゃかなうわけない。
男の人たち2人がかりで、わたしが逃げないようにしっかり手首をつかんでいるから。


「なー、加奈。
このあとどーすんの?」

わたしの左側にいる黒髪の男の人が、加奈ちゃんに話しかけた。


「んー、そうだなぁ。
とりあえず車呼んでくれない?」

「りょーかい」


すると、すぐにどこかに電話をかけて、

数分後、怪しげな黒のワンボックスカーが来た。