告白されてから、気まずくなることはなく真尋くんはいつもと変わらず接してくれていた。

だから、わたしも極力変に意識しないように自然と接しているつもり。


「なぁ、なんかお前最近元気なくない?」

「そう……かな」

真尋くんが心配そうにこちらを見る。


「千景となんかあったか?」

「な、何もないよ。大丈夫、元気だから」

いま自分が精いっぱい笑顔を作る。
頑張って、心配かけないように口角を上げて笑う。


「……そっか。
あんま無理すんなよ?」

きっと、気を使ってくれてる。

「うん……ありがとう」


そのまま教室を出て、
下駄箱で靴を履き替えて外に出たところで、ふと空を見上げた。

どんよりして、雲行きがよくない。

なぜかわからないけど、何か嫌なことが起こるような前兆のような……気がした。


まさか、そんなこと気のせいだって思いたかった。

でもそれは現実になる。


「あっ、久しぶり糸羽ちゃん」