返事をする間もなく、唇が塞がれた。
いつもより、だいぶ強引で。
息をするタイミングがうまく見つけられない。
「……っ、はぁ……っ」
少し離れたので、息を整えようとするけど
身体が熱くなって、うまく呼吸ができない。
それに加えて、今度は世唯くんのキスが首筋に落ちてくる。
チュッと音を立てながら、チクリと痛みがある。
思わずベッドのシーツをギュッと握った。
……熱い、身体が溶けてしまいそう。
「せ……い、くん……っ」
無意識に名前を呼んだら、
さっきよりも深く口づけされる。
唇から伝わってくる熱が、身体全身に回っているみたいでクラクラする。
「……いと、ちゃんと俺のほう見て」
「ん……、むり……っ」
手で顔を隠そうとしたら、そんな声が耳元で聞こえて。
でも、いま正直それどころじゃない。
意識がぜんぶ、キスに集中して他に向かない。

