世唯くんの手が、
わたしの腰のあたりに触れて、撫でてくる。
「……俺の服着て、おまけにそんな脚出して」
「こ、れは……っ、そんなつもりじゃ……」
「それで、キスしてなんて。
いとは俺を煽るのがすごくうまくなったね」
空いているほうの手は、
わたしの唇をそっとなぞってくる。
「……しかもこんな状況だったら
キスで止められなくても文句言えないよ」
「……なくて、いい……よ」
「……ん?」
「キス……で止まらなくても、いい……っ」
今だけでいいから。
世唯くんの甘さに溺れて、
一瞬でもいいから、世唯くんの中にわたしが少しでも残ればいい……なんて。
「……それ、意味わかってんの?」
低く……少し余裕がなさそうな声が耳に届く。
そして、腕をグイッと引かれて
わたしの身体がベッドにドサっと倒れた。
体勢が逆転。
わたしを組み敷いて、見下ろしてくる世唯くんの熱を持った瞳。

