気づいたら身体が勝手に動いて、
世唯くんを下に敷いて上に覆いかぶさっていた。


とても大胆な行動を取ってしまい、
ベッドに両手をついて、下にいる世唯くんを見るけど、この先どうしたらいいかわからない。


「……ずいぶん積極的だね」


世唯くんは押し倒されてる側のくせに、
余裕そうな表情のまま、ゆらっと揺れるわたしの髪をすくいあげるように耳にかけてくる。


そして、そのまま手が頬に触れてきた。


「いとから押し倒してくるなんて。
なんかあった?」


"なんかあった?"なんて、聞かなくても、自分がいちばんよくわかってるんじゃないの?

それとも、わたしを試してるの……?


「何も……ないよ」

恥ずかしさを誤魔化すために、
軽く……触れるだけのキスをした。


初めて……自分から唇を重ねた。


「……へぇ、何もないの?」

「っ……、」