あなどれないね、世唯くん。




「今日、泊まるとこないんでしょ?」

「う……ん」


「じゃあ俺の家に泊まって」

「え……」

泊まるって……。
わたしが世唯くんの家に?

ひとばん2人で過ごすってこと……?


「他に泊まれるとこあんの?」

「な、ない……」

「んじゃ、俺の家にいてよ」


こうして、なぜかとんでもない展開を迎えてしまった。


***


とりあえず、ごはんは外で食べてきたことを伝えると、すぐにお風呂の準備をしてくれた。


「バスルームこっち。
着替えは俺のやつなんかテキトーに用意しとくから」

「あ、ありがとう」

世唯くんが脱衣所から出て行き、1人残されたわたしはササっと服を脱ぎお風呂へ浸かる。

壁一面、真っ白で汚れがまったくない。


なんだか不思議すぎる。
ほんの少し前まで、会話も交わすことなく、お互い距離ができていたのに。

こうやって、一緒の空間でひとばん過ごすことになるなんて。