でもなんで、わたしが世唯くんの家に……。
たしか、駅周辺でネカフェ探してたら、変な男2人組に捕まりそうになって、逃げて……。
それから……。
そのあとの記憶がない。
ということは、そこで意識を手放したに違いない。
すると、世唯くんがわたしのほうへと近づいてきて、そのままベッドの上に座った。
ギシッとベッドが軋む音がして、
世唯くんの腕がゆっくりわたしのほうへ伸びてきた。
「……何もされてない?」
「え……?」
いつも感情を読み取らせてくれない表情が、今は心配そうにわたしを見ている。
そして、優しく抱きしめられた。
「……まさか、なんかされたの?」
「あ……っ、な、何もされてない…よ」
何もされていないことを伝えると、さらに強く抱きしめられた。
「……それならよかった。
いとになんかあったら、俺おかしくなるよ」
「っ、……」
何それ。
またそんな誤解させるようなこと言わないで。

