「っ、……」
なんで、急にこんな優しくするの。
わたしのことなんて放っておけばいいのに。
それなのにわたしを真尋くんから遠ざけるようにして。
まるで……自分のものに触れられるのが嫌なように。
「少し冷たいけど我慢して」
「……ん」
足首にピタッと貼られた湿布は、言葉どおり冷たかった。
湿布を貼った後、それが剥がれないように軽く包帯を巻いてくれた。
手当てをしてくれてる間は互いに何も話さず、沈黙が続いた。
そして、手当てを終えた世唯くんが立ち上がりわたしの隣に座った。
そのせいでベッドがギシッと軋んだ。
「……ねー、いと」
「な、なに…?」
「アイツって糸羽のなんなの?」
アイツ……とは、おそらく真尋くんのことを聞いてるんだろうか…?
「真尋くん……は、ただの友達だよ」
「……へー、真尋くんね。
ずいぶん親しそうに名前呼ぶんだね」

