「んー、なんか無理そうだから保健室まで運んでやるよ」


すると、わたしの身体を持ち上げようとしてくるので、さすがに無理と思い抵抗する。


「い、いいよ……!大丈夫だから!」

「いいから遠慮すんなって」


真尋くんが断固として譲ってくれないので、抱っこされるのを覚悟したときだった。


地面についていたはずの足が、ふわっと浮いた。


突然のことにびっくりしたと同時。


「はっ?おい、花町のことは俺が運ぶから」


目の前の光景に眉をひそめながら、こちらを見てくる真尋くん。

わたしは何がどうなっているのか理解が追いつかず、パニックになっているだけ。


すると……



「……いとに触んな」


いつもより数倍低い声と、少し荒い話し方。

わたしの身体を
真尋くんに触れさせないために━━━━━先に世唯くんの手によって抱き上げられた。