たったこれだけの動作なのに、胸がキュッと縮まる。
そして、ゆっくり形をたしかめるように親指がゆっくり動かされる。
触れ方が、なぞり方が、わざと焦らすようにしてくるから。
「……ねー、可愛いメイドさん。
俺にご奉仕してくれないの?」
なんて言いながら、空いている手でワンピースのフリフリした部分を引っ張ってくる。
かと思えば、そのまま手が太もものあたりに触れた。
「……っ、」
びっくりした反動で、世唯くんの肩に手を置いて、そのままギュッと握る。
「それとも、俺の好き放題にしていいってこと?」
「だ、ダメ……」
「……こんな可愛い格好してるくせによく言うね。俺を誘惑しにきたんじゃないの?」
すると、さっきまでわたしの唇に触れていた親指を離して
そのまま自分の唇に触れさせた。
「俺がご主人様だったら、いとはメイドさんだからぜったい服従……だよね」
危険……ぜったい危険。
いつにも増して世唯くんが危ない目をしてる。

