高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない

「できれば呼び捨てが嬉しかったんだけど…」

西口くんは照れたように笑って指で頬をかいた。

「えっ…!?」

よ、呼び捨てって…ものすごいハードルが高いんですけど…!?

私に何をさせようとしているんだろうと戸惑っていたら、
「これだけでも嬉しいんで結果はそれで」

西口くんは言った。

「そ、そう…」

ああ、よかった…。

呼び捨てなんてハードルが高いことを言うから、どうすればいいんだって思ったよ…。

と言うか、“名前で呼んでください”はないでしょうが…。

恥ずかしくて、顔を両手でおおって隠したい…。

そう思っていたら、
「蜜実さん?」

西口くんが私の名前を呼んだ。

「えっ…」

今、私の名前をサラッと呼んだ?