高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない

「ありがとう、もらっておく…」

コンビニの袋に手を伸ばそうとした私に、西口くんはコンビニの袋を遠ざけた。

「一緒に食べませんか?」

そう言った西口くんに、
「何で…?」

私は聞き返した。

「せっかくなんで一緒に食べましょうよ。

1人で食べるのって、味気ないじゃないですか」

「私は1人で食べるのが当たり前だから味気ないって思ったことは1回もなかったけど」

仲良しな子たちと一緒に食事をすることは、私も憧れた時期があった。

でもそんなものは手に入らなくて、すぐにあきらめた。

「花沢さんと一緒に食べたいです」

「…いや、そう言われましても」

そう言い返した時、グーッと私のお腹が鳴った。

…今日はよく鳴るな、私のお腹。