「あー、やっと終わった」

パソコンの画面の右下に表示されている時計に視線を向けると、８時を過ぎたところだった。

当然のことながら、オフィスにいるのは私１人だけだ。

残業は久しぶりだ。

どうしても今日中に済ませたい仕事があったのでしていたら、この時間になってしまった。

今日の夕飯はコンビニ弁当だなと思いながら、それまで作っていた資料を保存した。

ちゃんと保存されていることを確認してパソコンの電源を切ろうとした時、
「花沢さん、お疲れ様です」

その声に視線を向けると、西口くんだった。

あれ？

「西口くんも、残業だったの…？」

今から２時間くらい前に帰ったような気がするんだけど。

そう思いながら聞いたら、
「ちょっと忘れ物があったので」

西口くんは答えた。