「西口さん、今日もかっこいいね!」

「仕事にストイックなところがいいよね!」

「全然気取ってない感じもまた素敵!」

彼女たちはワイワイと西口くんのいいところをあげながら、その場から離れたのだった。

何なんだろう、この差は。

私だったら気を悪くしちゃうんじゃないかとか嫌われちゃうんじゃないかとか、とにかくいろいろとネガティブなことを考えて自分に用事があったとしても断ることができない。

そう、さっきの接待の件みたいに。

「私、本当に向いてないよね…」

スーツやメイクやコンタクトレンズで自分をいいように着飾っているけれど、中身までは着飾れることはできない。

グーッと、お腹が鳴った。

「もうすぐで昼休みが終わっちゃう」

私も早足でその場を離れた。