小会議室を後にすると、
「西口さん、今日一緒にお昼ご飯を食べませんか？」

聞きたくない名前ナンバーワンが聞こえた。

チラリと視線を向けると、女の子たちに絡まれ…いや、囲まれている西口くんがいた。

「近くに美味しいカレー屋さんができたそうなんで、みんなで一緒に行こうって」

そう代表して言ったのは、木佐さんだった。

某有名フリーの女子アナ似の彼女は、その愛嬌のよさとスタイルのよさから男女共に人気がある。

そのうえ社交的な性格とくれば…ああ、彼女もまた営業に向いてるタイプだな。

と言うか、部長も私じゃなくて彼女に接待を任せればいいのに。

心の中でぼやいていたら、
「すみません、この後営業があるんですよ。

必要な書類とかの確認もしたいですし」

西口くんは愛想よく笑って、木佐さんの誘いを断った。