「そんなかっこ悪いことできるかよ。」

平良はそう言ってフッと笑う。

そっか、私じゃダメか。

そう思った時、平良が私に近づいてきた。
ゆっくりと私の体に腕を回してくる。
腕にギュッと力を込めてくるのが分かった。
私も平良の背中に手を置くと、力を込めてみた。
体がギュッと固定された。

たぶん数秒だったと思う。
でもすごくすごくその一瞬が長く感じた。

平良の体がそっと離れる。
真正面に平良の顔。
真っ直ぐと見つめられる。
私も平良の二つの目を見るしかない。

すると、平良の顔がふいに近づいた。

あっけなく、私の唇に平良の唇が重なる。

え?