「え?」
「・・・いや、いや、勘違い。なんでもない。」

平良が頭をゴシャゴシャに掻き回す。

「じゃあ、沙和は俺に何してほしい?」

難しい顔して私の顔を見てきた。

「何してほしいって、私は普通に付き合いたい。」
「え?普通にって何?」
「普通にって、普通にだよ。」
「だって今、普通に付き合ってるじゃん。」

え、そうなの?

平良はけろっとした顔をする。
ずるい。

「他に、何かしてほしいことあったら随時言って。」
「してほしいって私が言うの?」
「じゃないと、俺分からないもん、沙和の考えてること。」

なんだそれ。
平良の方からは何もないの?

平良はその後も食べ続けて、あっという間に定食をたいらげた。

「明日、朝から試合だからとりあえずもう帰るわ。」
「うん、無理しないでね。」
「無理しないなんてできねえよ。」
「そっか・・・じゃあ、行ってらっしゃい。」
「そうだな、それがいいな。行ってくる。ご馳走様でした!」

平良はあっさりと店を出ていった。

なんだったの、今日は。
平良の考えてること、私も分からないよ。