朝起きると、父親は普段の優しい父親になる。
「蓮おはよう」
どうして、挨拶なんて普通にできるのか俺は疑問でしかない。
「ああ」
とだけ返した。
俺の大好きな人母さんを殴る奴なの顔なんて見たくねえ。
でも、なんの力もねえ俺はもっと見たくない。
「母さんおはよう」
「おはよう蓮!ご飯できてるよ」
母さんは、優しい人なんだろう。
殴られても何されても、俺達に笑顔を振りまく。
「蓮行ってらっしゃい。今日何時に帰ってくる?」
そんなことを聞いてくるのは珍しい
「わかんねえけど、18時くらいかな」
「...分かったわ。」
いつもの母さんのはずなのに、悲しそうな顔を浮かべる。
でも俺が早く帰ってれば、これから先俺自身が苦しむ事も、恨みたくない人を恨む事も、死ななくていい人が俺の大好きな人が死ぬ事をなかった。

