結婚してみませんか?

「智章さん?」

「ごめん、少し充電させて。」

早く離れなきゃと分かっていながらも、もう少しこうしてたいと思い、恋ちゃんを抱きしめながら囁いた。表情は分からないが、恋ちゃんは何も言わないまま硬直してる感じだ。

「充電完了。ありがとう、恋ちゃん。」

抱きしめていた手をパッと離し、また恋ちゃんの隣に戻る。恐る恐る恋ちゃんの顔を見てみると、いつもと変わらない表情だ。嬉しいような、悲しいような…。

「写真、素敵でした。また見せて下さいね。」

恋ちゃんが写真を渡してきたので受け取る。

「次の休み、少し遠出しようと思ってるんだ。良かったら…恋ちゃんも一緒に行かない?無理なら全然いいんだけどさ。」

恋ちゃん、心の中で面倒くさいと思ってるだろうな。分かってるのに誘ってしまった。

「でも、私が一緒だとお邪魔なのでは?」

「邪魔だなんて全然。婚前旅行しようよ。」

「婚前旅行…分かりました。ご一緒させていただきます。」

「よし決まり。また明日話しよう。行きたい場所があったら教えて。じゃあ俺、部屋に戻るわ。おやすみ。」

「はい。おやすみなさい。」

お互い自分の部屋に戻った。

部屋の中に入ると、恋ちゃんとの旅行を取り付けた俺は、小声でよしっと言って拳を握りガッツポーズをした。