結婚してみませんか?

「しばらくは演技しないとな。」

恋ちゃんに嫌われたくないから、今までみたいに距離を置きつつ、俺の事を好きになってもらえる努力をしよう。

恋ちゃんが俺の事を好きになってくれたら…俺みたいに結婚観も変わるかもしれない。

そう期待しながら、今の生活を楽しむ事にした。

そして、もうひとつの不安要素…。

「あー、恋ちゃん抱きてぇ…。」

只今、絶賛欲求不満中である。

恋ちゃんに触れないという約束はしてないが、やっぱり抱くならちゃんとお互い好きになってからという俺の中の余計な紳士ルールが発動し、欲求不満となってしまった。

「写真、持って行かなきゃ。」

遅くなると変に思われるので、いくつか写真を持って恋ちゃんの元へ戻る。

「お待たせ。」

冷静を装い、恋ちゃんに写真を渡す。すると恋ちゃんは何故か眼鏡を外して写真を見始めた。

「眼鏡外して…見える?」

再び恋ちゃんの隣に座り尋ねる。

「あっこの眼鏡、度が入ってないんです。私、視力は良い方なので…。」

伊達眼鏡だったのか。眼鏡外した姿を改めて見ると…やっぱり可愛いな。

いやいや、余計な事を考えるな、俺。

「あの…どうかしましたか?」

無表情のまま、恋ちゃんはそっと俺の顔を覗き込む。

「いや、何でもないよ。」

「ならいいんですけど。今日は帰ってきた時から少し元気が無いように見えたので…気のせいだったみたいですね。」

そう言ってまた写真を見始めた。

帰ってきた時…確かに恋ちゃんと笹倉さんの関係が気になってたから少し落ち込み気味だったけど、気にしてくれたんだ。

気がつくと、俺は恋ちゃんを抱きしめていた…。