結婚してみませんか?

「中学生の恋ちゃん、笑顔が可愛いね。一緒に写ってた男子は元彼?」

「…あの男性(ひと)は…。」

しまった。聞いたらマズイ事だったかな。恋ちゃんは下を向いて言いづらそうにしている。

「あっ無理に答えなくても大丈夫だよ。変なこと聞いてごめん。」

この変な空気を断ち切ろうと俺は立ち上がり、食べ終わった食器類をキッチンに運ぶ。

「あっ私が片付けます。」

恋ちゃんは運んだ食器類を片付けようと、キッチンに立つ。

「美味しいご飯作ってもらったから、片付けは俺がするよ。」

「でも…。」

「いいから恋ちゃんは座ってて。」

片付けといっても食器を食洗機に入れて洗うだけなので、あっという間に終わる。

食後のコーヒーを入れて、恋ちゃんの元へ戻った。

「ありがとうございます。」

「酒飲んだ後にコーヒーは違ったかな。」

「いえ、大丈夫です。」

俺は恋ちゃんの隣に座りテレビをつけた。テレビには彩り綺麗な花畑の風景が映っている。

「これは写真撮りたいなぁ。」

俺はテレビに向け人差し指と親指でフレームを作り思わず呟いた。

「職業病ですね。」

「あはは、そうだね。元々カメラが好きで、今は風景撮影にハマっててさ。休みになると思わず撮りたくなるような風景を探しに行ってるんだ。」

「休みに出かけるのは撮影の為だったんですね。今度、相沢さんが撮った風景写真をぜひ見せて下さい。」

「写真?いいよ、全然見せるし。それよりさ恋ちゃん。出来れば…そろそろ名前で呼ばれたいなぁ。前に編集長の所に挨拶に行った時、名前で呼んでくれたでしょ?あれ…嬉しかったんだ。」

面倒くさい奴と思われたか?でも名前で呼ばれた時、恋ちゃんとの距離が近づいた感じがして嬉しかったんだよなぁ。

こんな思考になっているなんて…そろそろ認めなきゃいけない、か。