夏の間の有料駐車場もこ

の時期は誰も停める人は

居ない。無造作に防波堤

の前に頭から車を停め、

自販機でいつものお茶を

買っていつもの場所に腰

を下ろした。

既に海岸には数名の人が

思い思いに過ごしていた。

その中でもひときわ目を

引いたのが、可愛らしい

小花ガラの刺繍をしたア

イボリー色のシフォンワ

ンピースを着た女性。


スカートからは細い脚を

覗かせて、腰のくびれが

いかにもスタイルの良さ

を表していた。


「どうやったらあんなにキレイになれるんだろ?」


高すぎず低すぎずスラッ

とした身長丈、透き通っ

た白い肌に切れ長の目。

完璧すぎるほど美しい女

性だった。


「キレイ」


裕子は今朝見たサボテン

の白い花を同時に思い出した。


女性の身体は海に向いて

いたけれど顔は斜め上を

向いて瞳は閉じていた。

次の潮風が吹くと消えて

しまいそうなくらい透明

度の高い肌だった。