そんな事を考えながらシャワーを浴び終え
部屋に戻った

…そうだ、酔ってたんだろう

次に会った時にはきっと「冗談(笑)」って
なるかもしれない

あまり深く考えるのはよそう

あんなにモテる男が私を好きなんて
なにかの間違いない
罰ゲームかなんかだろう

私はそう自分に言い聞かせてドライヤーの
スイッチを入れた

髪をかき分けながら鏡越しに見つめる

告白なんて、何年ぶりだろう?

いや、何十年ぶり?

いつから、私は女を忘れた?

高校卒業と同時に都会に引っ越した

ド田舎で育った私には東京は夢の場所だった

夜景はまるでイルミネーション

憧れの東京

引っ越して来て大学に通いながらバイトして

お金貯めて、化粧品買ったり、服買ったり

そして今の就職先が決まって
安定した収入を得るようになると
ちょっと背伸びして2DKのオートロック式の
良いマンションに引っ越した

だけどそのうち、
仕事して帰ってご飯食べて風呂入って寝る
それだけの家。と、思うようになって
なにも使わない1つの部屋が鬱陶しい気がした