折角楽しみにしていた飲み会が
相沢の存在で気分が下がった

とはいえ、相沢も仕事友だちと一緒のようで
絡むことはなかったが今回は
相沢の愚痴は保留となった

船瀬は付き合って4年になる彼氏と
同棲中でそろそろ結婚の話が出ているらしい

「もう三十路じゃん私ら。結婚しなきゃなーって思うけどさ、その後子どもってなると気が引けちゃうんだよねー。仕事も軌道に乗ってきた所だし」

どこか他人事のように返す私に船瀬は
私の顔を覗き込むように見た

「夏歩はさ、結婚しないの？」

船瀬の言葉でハッとした

結婚かー。考えた事なかった

そもそもの話で相手がいない

何で今まで考えて来なかったんだろう…

一瞬焦りや不安を感じた

「…船瀬が結婚したら船瀬じゃなくなるのか。ってか、何で船瀬って呼んでるんだっけ？」

私は逃げるように会話を逸らした