音楽のほとりで


「それで、この前のコンサートの後、高倉尚の楽屋を訪れたとき、白金南がそこには居て、僕が感じた事なんですが、結構親しそうに見えたんです」

「白金南と成宮ルイは繋がりがあって、そして白金南と高倉くんも繋がりがある。高倉くんと成宮ルイの共通点は白金南と昔のピアノのコンクール」

「ええ。そうして僕が考えたのは、白金南は何かしらの目的があって高倉尚に近づいているんじゃないかということです。そうして、そのためには桜さんが邪魔なんでしょう」

そこで、美鈴は桜のあの話を思い出す。

しかし、それを奏音に言ってしまっていいものかどうか、しかし、あの話はこの奏音の話と繋がりそうであることが、美鈴を悩ませる。

「奏音さん」

「はい」

「桜が言ってたんです」

しかし、美鈴は言うことにした。

もしそれで桜の未来が変わるならと、友人の為を思う美鈴の想いだった。

「誰かに、高倉尚と自分じゃあ住んでいる世界が違う。だから、近づくなと言われたということを。きっと、それってその白金南の言葉だと思うんです」

奏音の頭の中で、どんどんと点が線になっていく。

「……それは、間違いないでしょう。桜さんがあの日高倉尚以外の人と会うとしたら、恐らく白金南しかいなかったはずです。僕の考えは2つあります。1つは白金南と成宮ルイが恋人で、復讐のために高倉尚に近づいている。もう1つは、白金南が単純に高倉尚に惚れている。しかしそれだと、成宮ルイとの繋がりが説明できない。だから僕は恐らく前者じゃないかと考えています」

「そうですね……それが妥当だと思います」