「こんにちは」
「こんにちは」
もうすぐ7月になろうとしているある休日、奏音はある人物に会っていた。
「まさか、連絡が来るなんて驚きましたよ」
「ええ、桜さんの友人のあなたと話がしたいと思いまして。今日はお時間いただきありがとうございます」
「いえいえ、そんなに硬くならなくてもいいですよ。桜からいろいろ話を聞いています。奏音さん、すごく良い人だと」
「そうですか、それは嬉しいですね」
美鈴と奏音は、2つのアイスコーヒーを囲んでいる。
周囲には、パソコンをいじっていたり本を読んでいたり、友人と談笑していたり、互いが互いに興味を持つことなく、それぞれの時間を過ごしていた。
「今から話すことは、あくまで僕の憶測になるんです。ただ、完全な妄想という訳ではなく、僕の持っているネットワークを使って調べた事なので、半分は合っていると思います」
美鈴は、それを聞くと目の前にあるアイスコーヒーを飲んで、姿勢を正して奏音の目を見た。
「この前、ゴールデンウィークのコンサートで若手演奏家が数名演奏していたことはご存知ですか?」
「ええ、桜が楽しみにしてましたから」
美鈴は、なんとなくその出だしで話の予想がついた。
多分、この前の桜のあの話に関わってくるのだろうと。
しかし、その核となる部分についてはまだまだ掴めておらず、真剣な顔をして奏音の話を聞いている。



