そして休日には、美鈴をカフェに呼び出す。
「っていうことで、私4月から尚のところ行くね」
「うん。いってらっしゃい。高倉くんに何かされたら私日本から飛んでいくからいつでも言ってね。もし浮気なんてしようもんなら桜の代わりにビンタしてあげるんだから」
「そのときはよろしく」
「任せて」
と、2人は顔を見合わせて笑い合う。
桜は、来年からはこうして美鈴と簡単に会えなくなってしまうんだと思うと、それはそれで胸がぎゅっと切なくなる。
今まで美鈴がいたから乗り越えられたこともたくさんあることを、桜は思い出していた。
「たまには、日本帰って来てね。私もフランス行くからさ」
「うん。フランス語、勉強し直さなきゃで結構大変なの」
「桜、留学してたし余裕でしょ」
桜は、話題を変えることでそのしんみりとする気持ちを隠そうとする。
まだあと数か月もあると言い聞かせるも、やはり寂しさはなくなってはくれない。
「今度からはさ、私じゃなくて高倉くんが側にいてくれるんだから、きっと大丈夫」
桜の表情から色々と読み取ったのであろうか、美鈴はそんな言葉を投げかけて桜を励ます。
「うん、大丈夫」
桜は、出来る限りの笑顔を美鈴に見せると、よしっと1人気合を入れるのだった。



