「ワインは、ルイのご飯ができあがってからにしますね」
解かれた緊張は身体から力を抜けさせ、4人は吸い込まれるようにソファに座った。
「尚さんって、私と会うとき必ず2,3度は空中を見だすんです。それがどういう意味か分かります?」
奏音はその意味が分かったのか口元に笑みを浮かべ、尚は焦ったように眉毛を動かす。
桜だけは分かっておらず、首を傾げた。
南は、その桜の様子を見るとふふっと口元を手で隠して笑ってしまう。
「そういう時の尚さんって、必ず桜さんのこと考えているんですよ」
「もう、女の人は本当に口が軽いですよね、長谷部さん」
「そうですよね、でもそれが女性なんですよ」
と、男2人は顔を合わせて桜と南の耳にはっきりと聞こえるようにわざと声のボリュームを上げてそう言う。
桜は、恥ずかしさをごまかそうとしているのだろうか、咳ばらいをすると誰とも目を合わせずに前を向いている。
しかし、身体は素直で桜の顔は赤くなっていた。
話していると、だんだんと良い匂いが漂ってきて、それは香ばしくお肉の焼けている香りであろうか、その匂いを嗅いでいると、4人の食欲は自然とかき立たされる。
話をしている中で、南は何度も桜や尚、奏音に謝りの言葉を贈るのだった。



